眠れない日が数日続くと、不安になりますよね
でも病院にいっても何もなくてバカにされるかもとか考えちゃう
わかります。
こちらでは代表的な睡眠障害と症状例をあげています。
「寝れない」だけではありませんが、睡眠トラブルにはこんな問題が起きます。
• 不眠、過眠、睡眠中の呼吸異常
• 睡眠中の異常感覚・異常運動
• 睡眠中の異常行動
• 睡眠・覚醒できる時間帯の異常
当てはまる場合は病院に相談に行くことをオススメします。
精神・神経医療研究センターによる睡眠障害のガイドラインに基づいています。
上段の方から当てはまった時点で診断されることが多いです。
うつ病
厚生労働省からの「うつ病のサイン」としては次の症状があります。
食欲がない
https://www.mhlw.go.jp/kokoro/
性欲がない
眠れない、過度に寝てしまう
体がだるい、疲れやすい
頭痛や肩こり
動悸
胃の不快感、便秘や下痢
めまい
口が渇く
現代では100人のうち6人がかかるといわれているうつ病
小学校のクラスに1~2人は出る計算になりますので、身近なものと捉えましょう。
患者の約8割に不眠、1割に過眠(日中の眠気や長時間睡眠)が見られます。
重症になると死んでしまいたいほどのつらい気持ちが表れることもあります。
早めに専門家に相談する必要がありますので「まさか自分が」とは考えずに、念のために軽いうちから対処していきましょう。
ガイドラインでは「食欲低下、興味や意欲の減退がみられる場合には、うつ病を疑う」ことになっています。
当てはまる場合は病院へ行きましょう。
うつ病と診断されたらどうなる?
病気ですので、治療が始まります。
治療の方法はあるのです。
初診の病院によって変わりますが、一般的には
抗うつ薬開始等で治療が開始される
精神科・心療内科に紹介される
となります。
精神療法や他の専門的な治療法もあります。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)
睡眠中の呼吸停止がある
強いいびきに加えて、日中の過剰な眠気がある
という場合には睡眠時無呼吸症候群が疑われます。
症状としては、睡眠中に無呼吸や低呼吸が出現します。
深い睡眠がとれないせいで、日中に強い眠気におそわれたり、居眠りしたりします。
ちなみに「寝ているはずなのに眠い」というのは「過眠」にあたります。
放っておくと眠くて事故にあう、といったほかに
血中酸素濃度が低くなったりすることから
高血圧
糖尿病
高脂血症
冠動脈疾患
脳血管障害
といった病気、はたまた心不全等の併発から突然死につながることもあり、早期の治療が必要な病気です。
原因としては肥満によるものもあれば、体質によるものもあります。
肥満が原因で気道がふさがれている場合は、病院で診察してもらいつつ生活習慣を改善しましょう。
睡眠時無呼吸症候群と診断されたらどうなる?
治療が始まります。
が、なかなか完治は難しいともいわれています。
気道を確保する手術にはいることもあります。
体質によるものの場合は手術しないといけないかもしれません。
生活習慣による場合は、習慣の改善が最優先になります。
睡眠関連運動障害:レストレスレッグズ症候群(ムズムズ脚症候群)
夜にムズムズして手や足をとりあえず動かさないとやってられないとか
普通寝るのに要らないよね、っていう感覚や運動症状がある方が対象
そんな感覚に悩みつつ、次の4つすべての特徴があると診断されます。
1.下肢や上肢を動かしたくなる強い衝動がある
2.間隔が「ムズムズ、電撃痛」などと表現される
3.上下肢を動かすことで症状が軽減する
4.夕方~夜間に出現もしくはより症状が強くなる
レッグズとついていますが足だけではなくて、手も含まれます。
上肢:肩口から先の手
下肢:足
を指します。
鉄欠乏性貧血や人工透析、妊娠、抗うつ薬によって症状がでることもあります。
何歳で出やすい、ということはありません。
原因は違うと見込まれていますが発症年齢は一定ではありません。
性別は統計では女性に多いです。
遺伝の影響は近親者にいる場合は、近親者にいない場合の約3~5倍といわれています。
生活習慣としては肥満,喫煙,運動不足,少量のアルコール摂取および糖尿病と関係がある、というデータがあります。
当てはまる場合は病院へ行きましょう。
レストレスレッグズ症候群(ムズムズ脚症候群)と診断されたらどうなる?
治療がはじまります。
しばらく承認薬はなかったのですが、ビ・シフロール錠が承認を得る等、改善する方法は生まれています。
ただ薬は症状の重い方向けで、症状が軽い場合は
・鉄分補給
・カフェイン、ニコチン、アルコールを控える
で症状が治まることもあります。
妊婦の方には使えない等、いろいろあります。
詳しくは医師にご相談ください。
睡眠関連運動障害:周期性四肢運動障害(PLMD)
寝ている間に筋肉の収縮・弛緩が繰り返し起きて、ちゃんと眠れなかったり目が覚めたりします。
この収縮・弛緩が不随意運動とか、ミオクローヌスと呼ばれるので、別名は睡眠時ミオクローヌス症候群です。
寝ている間に足がつったり、歯ぎしりの跡がひどい方は疑った方が良いです。
寝てる間の症状なので、軽症の例では本人の自覚症状がまったくないことが多いのが困ったところです。
原因としては鉄分不足からドパミンが作れなくなることが一因と考えられていて、貧血や腎不全を伴うことが多いです。
日中の眠気や倦怠感がひどい人は、重症例にはまることもありますので、「寝ているハズなのに日中にすごく眠くなる」という認識された方は病院へいきましょう。
周期性四肢運動障害と診断されたらどうなる?
治療が開始されます。
もともと鉄分が足りてないかな、と感じる方はほうれんそう、ひじき、肉等の鉄分の多い食事をとりましょう。
生活習慣の改善で効果が見られない場合は
鉄分を補うための鉄剤
ドパミンの産生を手伝う薬
が処方されるのが一般的です。
詳細は医師に相談しましょう。
睡眠不足症候群や中枢性過眠症(ナルコレプシーなど)
うつ病で眠れないわけでもない
無呼吸や運動障害で眠りの質が悪いわけでもない
それでも睡眠障害を感じるケースです。
中枢性過眠症
症状として十分寝てるのに、食事や歩いてる途中等、普通眠らない場合なのに寝てしまう
そんな方が疑われてくるのは、中枢神経系の機能異常です。
すぐに病院へ行ってください。
ナルコレプシー
特発性過眠症
クライネ-レビン症候群
といった病気が疑われます。
例えばナルコレプシーには
・大喜びしたりした後に、いきなり力が抜けて居眠りする
・その間の意識は正常で周囲の話が理解できている
という特徴があります。
発症年齢に多いのは14~16歳、発症は600人に1人程度です。
より詳細は各病院や日本ナルコレプシー協会をご参照ください。
睡眠不足症候群
個別の症状については医師に相談しつつ経過を観察するしかありませんが、
十分寝てるし、うつ病でも無呼吸でも眠りが悪いわけでもないのに、昼間に眠くなる
という方は「睡眠不足症候群」の可能性があります。要は慢性的な睡眠不足です。
「いや寝てるんだけど」は分かりますが
「体質的により長い睡眠時間を必要とするのでは?」ってことです。
ロングスリーパーって言われます。
体質です。10時間以上の睡眠が必要な方もおられます。
この点を理解しあえる社会になってほしいものです。
ですのでちゃんと6~8時間睡眠をとっていても昼間に眠くなる可能性があります。
この場合はより長く睡眠時間を確保しても過眠症状が出るかを確認することになります。
他には向精神薬等による過眠やリタリン依存者などとの鑑別が必要になりますが、この辺りは医師と相談いただくべきです。
とりあえずしっかり寝てみて下さい。
ナルコレプシー等と診断されたらどうなる?
どんな結果だったとしても
睡眠を十分に確保すること
カフェイン、アルコール、ニコチン等の睡眠を妨げる薬物摂取を抑えること
が大切です。
ナルコレプシーや特発性過眠症では、過眠症治療薬等による薬物療法がおこなわれます。
睡眠時随伴症:レム睡眠行動障害
ちょっと毛色が変わり、50歳以上の男性に多い症状です。
睡眠中に大声を出す
手足を動かす
歩き回る
といった異常行動がある場合は、睡眠時随伴症の疑いになります。
困る点としては
・一緒に住む方に暴行を加える
・本人がベッドから落ちてケガをする
・ちゃんと休めていないので疲労感を自覚したり、眠れていないと感じる
というところです。
睡眠にはレム睡眠とノンレム睡眠がありますよね。
レム睡眠中には夢を見る、というのはご存じかもしれません。
ノンレム睡眠は
脳:休む 体:整える
レム睡眠は
脳:整える 体:休む
ってことをやってます。
なのでレム睡眠中は体が休まってるのですが、レム睡眠行動障害ではこの機能が障害されて
・夢でいってることを大声の寝言でいう
・夢での行動とおなじ、大きな動作をおこなう
という症状が出ます。
ちなみにその時に起こそうとすると、すぐに起きますし、夢の内容を思い出せたりします。
原因としては不明確です。
ストレスや三環系抗うつ剤・カフェインなどの影響に注意するという指針はあります。
約半数に中枢神経の疾患がみられる、という話もあります。
脳神経内科、睡眠外来を行っている病院にいきましょう。
レム睡眠行動障害と診断されたらどうなる?
治療が始まります。
・原因を引き起こしやすい飲酒の改善や睡眠不足の解消といった生活習慣の改善
・薬物治療
が主となります。
概日リズム睡眠障害:睡眠相後退症候群
いままでの例に当てはまらず、昼夜逆転など睡眠・覚醒できる時間帯に異常が起きている場合に疑われます。
3時~6時くらいまで寝れない
寝たら午後まで起きれない
といった方ですね。
平たく言えば「睡眠リズムがズレている」ってことです。
そういう生活リズムになっている方の中でも
「どうしても起きないといけないときにも起きれない」
「本人の意思でどうにもならない」
という方が対象です。
若い世代の7~16%の頻度といわれています。多いな
どうにかなる方は大丈夫。
社会に合わせられないということで不利益を受けることがあり、
精神障害
他の睡眠障害
自閉生活
につながることもありますので、もし近親者に症状がみられましたら気にかけてあげてください。
また、「生活リズムが崩れているからADHDだ」ということはありませんが、
ADHD、自閉スペクトラム症の方には睡眠障害の症状が出ることが多いです。
ある程度は自宅で療養できる範囲なのですが、改善が見られなければ病院へ行きましょう。
睡眠相後退症候群と診断されたらどうなる?
治療できます。
ご自宅でもできるのは、少しずつ早く寝るようにしていくこと。
10分ずつでも良いのでズラしていきましょう。
ちなみにビタミンB12には睡眠を整える作用があると考えられています。
高照度光療法も有効とされています。
2500ルクス以上の光を2時間、目の覚める前に当てるなどしてリズムを調整します。
どうしようもなければ薬物療法もあります。
メラトニンという「夜だよ」と知らせてくれるホルモンがあるのですが、こちらを治療に用いて睡眠リズムを前倒しさせます。
その他の原因による不眠症・・・精神生理性不眠症
これまでのすべてに当てはまらないけど、一カ月以上持続して寝られない方
ガイドラインとしては慢性的な心理的・生理的な不眠症ではないかと捉えられます。
一般的にいう「不眠症」です。
1.学習された睡眠妨害連想
2.身体化された緊張を特徴とする、心理的要因を契機とした睡眠障害
眠れない→眠れないのが怖い→緊張して余計に眠れない
という悪循環な状態です。
責任感が強く完璧主義な方がストレスを受けていて、不眠の原因が消えた後も症状だけ残ってしまう・・というケースもあります。
もちろん
体が悪くないか
ホントにうつ病じゃないか
ニコチンやカフェインの影響じゃないか
生活習慣の改善で直らないか
薬の影響はないか
などなど。他の影響がないのかは切り分けないといけませんので、
睡眠外来に相談にいってみるのはよいかと思います。
ここで眠れないからとアルコールに逃げたりすると、よくないコトになるケースもあります。
また、一部の方の話なのですが微小覚醒の頻度が増えたと自覚して、「ずっと寝れていない」と感じることもありますので、カメラやスマートウォッチで睡眠の状態をレコーディングしてみるのも手です。
「あれ。寝れてるじゃん」と思えたら、改善に向かう可能性もあります。
期限を区切るとストレスを感じる方もおられるので難しいところですが、目安として1カ月を超えてるならもうずいぶんカラダはつらいはずですので、病院行きましょう。
精神生理性不眠症と診断されたらどうなる?
メンタルクリニックの範疇で睡眠薬の処方や認知療法がおこなわれることが多いです。
軽度な場合は生活習慣の見直しで効果があることが多いです。
が、慢性不眠症ですと十分ではなくて、認知行動療法がおこなわれたりします。
それでも厳しい場合は患者様との相談の上で睡眠薬の処方になります。
まずご家庭でできる事としたら
眠くなってからベッドに入る
決まった時間に起きる
を心がけてください。
早くベッドに入って眠れない時間が続くと、余計に良くないです。
眠くなる2時間前は、実は1日で一番眠くない時間帯ですので、時間がズレてたら寝れないのも当たり前です。あなたは悪くない。人間そういうもんなんです。
そして寝たい時間の14~16時間前には起きて、太陽を浴びてください。
太陽を浴びてから14~16時間後に眠気が出てくる方が多いと分かっています。
他にも音や光、寝る1時間前にはPCやスマホは閉じる等々ありますが長くなりすぎますので別投稿をご参照ください。
眠れないけど病院に行くべきか悩んだ時の8つの判断基準まとめ
睡眠障害のガイドラインに基づいて、どう判断するかを確認してきました。
症状に当てはまる方は病院へ行きましょう。
当てはまらないけど1ヶ月以上眠れないと感じてる方も病院へ行きましょう。
2週間程度でもいいです。辛かったら行きましょう。
何もなくても安心できるだけいいじゃないですか
まだ数日だ、という方は
・生活習慣を改善する
・サプリ(鉄分、ビタミンB12)を取る
・眠りやすい環境を整える
・正しい睡眠の知識を学ぶ
等を行っていきましょう。
随時当サイトで更新してまいります。
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